2013年6月16日日曜日

X夫人の午後

X夫人の午後
        碧海

炎天路を焼く
夫人乗りて冷風に吹かれ楼に赴く
至りて及ち跨り漕ぐこと万遍 
一ミリも進まず 是汗を強いるを専らとす
後 熱浴するは残汗を搾るに有り
渇けば則ち貪る 麦酒の酒に非ざるを
帰路再び乗る
路樹残炎に苦しむも 夫人終に汗無し
還りて厨に立つ 
忽ち洩るるは其れ嘆息かおくびか