2013年2月8日金曜日

収斂進化、人の家畜化、幼形成熟

先日図書館で借りた『犬のココロをよむ』が面白い。



犬のココロを読もうと借りたのだが、犬が人のココロを読めるらしいという話。「目は心の窓」と言うが、犬は人の視線の先を理解し、視線のやり取りで人とコミュニケーションしているということも科学的に証明されてきた。

それは、チンパンジーなど類人猿にも出来ない芸当だという事が最近の研究で分かっている。

何と、犬は、人からあくびがうつる唯一の動物なのだそうだ。すごい!

白目が見えるということがここで重要な役割を持つ。哺乳類で白目がはっきり見えるのは、人と犬のほか、そんなに居ないのだそうだ。

結局、人と犬は長年の共生の歴史を通して、同じ環境に、イッショに適応し、進化してきたという仮説さえ現れた。これを収斂進化と言う。

犬がオオカミから進化したことは遺伝子学的に証明済みなのだが、犬はオオカミとは決定的に違う特性をもつ。それがネオテニー、すなわち幼形成熟。

その結果、オオカミと違って、大人になってからもよく遊ぶ。大人のオオカミはボール遊びに夢中になったりしない。また、犬が知らないものや人に対して、いつまでも興味を持つのもこの幼形成熟の結果だと考えられる。

それは、もちろん人の特性でもある。我輩などは、その傾向が特に強そうだ。

人はネオテニーを強くもっているために、情動行動が穏やかになり、協調的な性質をつよめて、自ら家畜化した唯一の動物であるという考え方まで有るという。

さらには、ネアンデルタール人が滅んだ理由や、犬との共生で現代人が獲得した能力とか、笑の意味とか、いろいろ面白い話が続く。

是非ご一読を。

やっぱり、犬は特別な動物だったのだ。そうだと思ってたんだよね。

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