あまりに単純素朴で何のヒネリもない寓話だ。結末は読み始めから見えている。
寓話の価値は、単純な例え話を使って分かりにくい真実に気付かせてくれること。
この本の寓意はあまりに当たり前過ぎて、私に何の新しい気付きも与えてくれない。多くの大人の読者に共通の感想だろう。
一方、いわゆる第9条信者にとって、百田尚樹の本など目にするだに汚らわしいだろうから、彼らが読んで何かに気付くことなどあり得ない。
多くの小学生か中学生に読んでもらいたい本だ。
現代日本という特異な言論世界以外では童話としてしか成立しない本だ。