2012年3月23日金曜日

いいね、京極の小説世界

近頃の娯楽小説は面白くないからあまり読まない。筋が面白くないのではない。文章が面白くないのだ。味気ない。薄っぺらい。商品パンフレットを読むのと大して変わらないものが多い。

最近、京極夏彦を知った。名前は以前からよく聞いていたが、読んでいなかった。人気作家だと知っていたから、どうせつまらぬ文章だろうと思っていた。

2012年2月12日日曜日

犬とでも暮らそう(2)

そう言えば、大昔、まだ私が東京銀行に勤めていたころ、同じ部の同僚(先輩)にサイードというイラン人がいた。流暢な日本語を話したので、電話の相手は彼の名前を聞いて「斉藤さんですか」などと間違えたものだ。

彼は、パーレビ時代のイランの中央銀行の副総裁の息子で、一家は、1979年のイラン革命で出国を余儀なくされた。彼には5人だかの兄弟がいて、それぞれ、アメリカ、イギリス、フランス、日本など世界の異なる地域の主要国に留学し、それぞれの国に就職もしていた。つまり、計画的に兄弟を各国に送り込んで政治的、人的ネットワークを作らせ、一家存続のために一族ポートフォーリオの分散戦略を進めていたのだ。

2012年2月11日土曜日

犬とでも暮らそう

EUの危機は、その原理的な矛盾に起因している。早晩破綻するだろう。

金融デリバティブの規制は、終わりのないいたちごっこだ。グローバルな金融制度の協調は、各国の政治的、経済的、制度的、文化的違いと各国利害の衝突を克服して実現するとは思えない。その努力は、今現に行われているが、それは途方もなく複雑な作業だ。

2012年1月22日日曜日

ザ・ノンフィクション 老人と放射能

先週の続きを見た。何回も泣いた。何度か号泣しそうになった。なんという悲惨な運命か。なんという過酷な仕打ちか。

十数年も一人で自然の中で自給して生きてきた優しい老人が、なぜ放射能に追われてかけがえのない生活と住処を捨てなければならないのか。悲しみと憤りに震えた。

2012年1月13日金曜日

ジョブズは現代のヒーローか

スティーブジョブズは現代のヒーローのように語られる。

しかしそれは、彼がこの時代を代表するということを必ずしも意味しない。現代という時代は、むしろ全く反対のもう一つの顔によって代表されているのだから。それは官僚制だ。