2017年4月15日土曜日

トランプは北朝鮮を攻撃しない

トランプは「北朝鮮が核実験をやるとの確証に至れば攻撃するぞ。」と言っている。

ただし条件をつけている。第一に中国が適切な行動を取らないこと。第二に韓国が同意すること。

そして今トランプは、「中国はよく動いている。習は素晴らしい。」などと言っている。韓国が同意しないことはまず確実だ。

つまり、北の核実験があろうがなかろうが、ぎりぎりのところでアメリカは攻撃をふみとどまる、というシナリオができているのではなかろうか。

そのうえで、その後、米中の合意と協力に基づいて、一定の時間をかけて金正恩を押さえ込むつもりなのだろう。

具体的には、中国から北への石油輸出の停止。引き換えにアメリカは、中国主導(表面上は「韓国主導」でもよい)の半島統一を許すかもしれない。

金正恩は米中共同のあらゆる策謀の末、結局何らかの形で排除されるだろう。

中国主導の半島の統一とは、つまり半島から米軍が撤収するということ。それは38度線が対馬の北まで下りてくることを意味する。日本はますますアメリカとの軍事同盟を強め、同時に憲法を改正して防衛力も倍増しなければならない。長期的には独自防衛の道を模索する。場合によっては核武装を検討するかもしれないが、それはおそらく米中からの、少なくとも中国からの徹底的な妨害に会うだろう。

逆にアメリカが北の核実験に対抗して攻撃をした場合、韓国、日本に少なからぬ被害が出る可能性が高い。そうなれば、その後アメリカは同盟国からの信頼を決定的に失い、覇権の基盤をゆるがしかねない。

それはやはり、中国にとっては今より有利な状況を生む。ただし長期的には日本の軍備増強、場合によっては核武装というリスクが高まるかもしれない。

もし北が合理的な判断を捨てて先制攻撃に出れば、すなわちソウルや東京または在日米軍を攻撃すれば、アメリカは同盟国に気兼ねなく、むしろ同盟国防衛の大義を得て、思う存分北を攻撃できる。

その場合、韓国も日本もアメリカを責めるわけには行かず、感謝を表明しなければならない。中国は引き続きアメリカの覇権をみとめなければならないだろう。

以上のように考えると、アメリカの軍事的覇権の維持にとって最善のシナリオは、最後のシナリオ、金正恩を徹底的に追い詰めて暴発させることかもしれない。かつて日本を追い詰めたように。

しかし、そこで話はトランプ政権誕生時の振り出しに戻る。そもそもアメリカは今後も一国覇権を続けられるのだろうか。おそらく答えは「否」だろう。だとすると、やはり中国か日本にアジア覇権の一部を委譲するほかない。

いずれにせよ、日本は憲法改正と軍備増強をせざるを得ないだろう。

さもなければ中国の横暴に身を任せるしかない。

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